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板金試作とは何か?簡易金型との違いや量産化、短納期・高精度を実現する手法

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板金試作とは何か?簡易金型との違いや量産化、短納期・高精度を実現する手法

製品開発において「板金試作」は、構造確認・デザイン検証・社内承認などの重要な役割を担っています。しかし、「板金試作とは何か?」という基本的な理解が曖昧だったり、また、簡易金型との違いやそれぞれの得意分野、量産工程への接続といった知識が不十分だったりということがあると、最適な加工方法を選定できないこともあります。
本記事では、板金試作の概要から、簡易金型との違い、そして短納期・高精度を実現するための具体的な手法まで解説します。

板金試作とは何か?

板金加工とは、金属板に対して切断・曲げ・接合といった加工を施す技術の総称であり、自動車部品や電子機器の筐体、建築資材など幅広い分野で利用されています。その中でも「板金試作」は、量産前の検証フェーズにおいて、設計の妥当性や機能性を確認するために行う重要な工程です。顧客が求める製品をいち早く具体化し、提案できるか否かは競合との差別化に直結します。板金試作はそのための「技術力×スピード×柔軟性」を体現する手段となっています。

板金試作の目的と製造プロセス

板金試作の主な目的は以下の通りです。

・製品設計の形状・寸法確認
・機能性・耐久性の初期検証
・デザイン性・意匠確認
・工程設計のベース確立

プロセスとしては、まず図面・3DCADからNCデータを作成し、レーザー加工・曲げ・溶接等を経て、短期間で実物モデルを製作します。通常、1〜10個程度の少量対応が中心で、これにより図面変更への迅速なフィードバックが可能となります。

板金試作で使用される主な加工技術

レーザー加工・タレパン加工

レーザー加工は、非接触で高速・高精度に金属板を切断できる技術で、複雑な外形や微細な穴あけにも対応可能です。一方、タレットパンチ(タレパン)は金型を用いて打ち抜く方式で、加工スピードとコストパフォーマンスに優れています。

曲げ加工・溶接・リベット組立

曲げ加工は製品形状を決める重要な工程です。溶接やリベットは強度や外観を左右するため、部品点数や設計意図に応じた工法選定が必要です。熟練した職人による手作業とNC装置の組み合わせで、精度と再現性を確保します。

材料選定と表面処理の基礎知識

材質選定はコストと性能のバランスが鍵。鉄、ステンレス、アルミニウムなど、用途ごとの適性を考慮します。また、量産を見据えるならば、表面処理(塗装・メッキ・アルマイトなど)も初期段階で想定しておく必要があります。

簡易金型との違いと使い分け

加工方法・コスト構造の違い

簡易金型は樹脂やアルミなどを材料とした低コストな金型で、プレス加工やダイキャストで使用されます。製品形状を安定的に再現できる一方で、製作に数週間かかることもあります。
対して板金試作は、金型不要で即日対応が可能なケースも多く、柔軟性が高いのが特徴です。コストは加工点数や形状複雑度に左右されるため、使い分けが重要です。

板金試作と簡易金型の使い分け例

製品開発のフェーズや目的によって、板金試作と簡易金型を使い分けることで、効率的な開発が可能です。具体的には、それぞれ以下のようなシーンでの活用が推奨されます。

板金試作と簡易金型を活用した効率的な製品開発手法

板金試作と簡易金型は、それぞれ異なる利点を持つため、これらを組み合わせることで、より効率的かつリスクを抑えた製品開発が実現できます。

・コンセプト・デザイン検証(板金試作)

まずは板金試作を活用し、複数のデザイン案や機能要件に基づいた試作品を短期間で製作します。これにより、初期段階での課題を早期に発見し、設計にフィードバックできます。

・機能・性能検証(板金試作+簡易金型)

ある程度デザインが固まったら、主要な機能部品や重要部品については板金試作で詳細な検証を行い、場合によっては簡易金型を用いて、より量産に近い精度での部品製作を試みます。これにより、部品間の干渉や組み立て性、性能などを確認します。

・パイロット生産・市場テスト(簡易金型)

最終的な設計が確定したら、簡易金型を製作し、数百個から数千個程度のパイロット生産を行います。これにより、実際の生産プロセスでの課題を洗い出し、市場投入前の最終的な品質確認と調整を行います。

・量産移行(量産金型)

パイロット生産と市場テストの結果を踏まえ、問題がなければ本格的な量産金型の製作に移行します。この段階に至るまでに、板金試作と簡易金型で十分な検証を行っているため、量産開始後の手戻りリスクを大幅に低減できます。上記のような手法を用いることで、開発初期のコストを抑えつつ、設計変更の柔軟性を保ちながら、最終的な製品品質を高め、市場投入までの期間を短縮することが可能になります。

板金試作から量産への移行戦略

試作段階で考慮すべき設計・生産性

量産を見据えた設計(DFM=Design For Manufacturability)が求められます。例えば、曲げや抜きに無理がないか、組立て工数が最小化されているか等を試作段階で検証することで、後工程でのコスト削減につながります。

量産移行時の簡易金型・ダイキャスト活用

中量産には簡易金型が適しており、さらに1万個以上の量産ではダイキャストが有効です。設計段階で量産仕様を見越した図面を作成することで、工法の切替もスムーズになります。

プロテックジャパンのワンストップ対応の活用メリット

プロテックジャパンでは、板金試作から簡易金型・ダイキャストまでを一貫して対応可能です。また、工程ごとの最適化だけでなく、設計提案も含めたソリューション提供も可能となっています。

まとめ

板金試作は、製品開発におけるスピード・品質・コストを左右する重要な工程です。簡易金型との違いや使い分けを正しく理解し、営業担当者がその知見を活かして顧客に提案することで、信頼性のあるパートナーとして選ばれる存在になれます。
また、試作段階から量産までを一貫してサポートできる体制を整えることが、競争優位性の確立につながります。ぜひ、プロテックジャパンのソリューションを活用し、顧客満足度の向上と業績の最大化を目指してください。

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