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樹脂の表面処理を解説!目的と種類、製品と金型による違い

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樹脂の表面処理を解説!目的と種類、製品と金型による違い

近年、ものづくりの現場において樹脂(プラスチック)製品の活用範囲は急速に広がっています。軽量で加工しやすい樹脂は、自動車部品や家電、医療機器にいたるまで、さまざまな分野で金属の代わりに選ばれるようになりました。

しかし、金属の代替として使うには課題もあります。「傷つきやすさや劣化を防ぐ耐久性」と、「金属特有の高級感」を与える表面処理の技術が欠かせません。

この記事では、樹脂の表面処理を行う目的や、具体的な種類について分かりやすく解説します。製品自体に施す加工だけでなく、製造を支える金型へのアプローチについても触れていきますので、製品開発や品質向上を検討する際の参考にしてください。

樹脂の表面処理とは

樹脂の表面処理とは、成形された製品の表面に塗装やめっきなどの加工を行う技術のことです。単に見た目を美しくするだけでなく、素材としての弱点を補うために行われます。

基材の表面に機能や美観を施す加工

樹脂は軽量で加工しやすい反面、金属に比べて傷つきやすく、紫外線で劣化しやすい性質があります。また、電気を通さない絶縁体でもあります。こうした欠点を補うために行われるのが表面処理です。処理を施すことで、耐摩耗性や耐候性、導電性といった新たな機能を付加できます。さらに、金属のような質感や鮮やかな色彩を与えて、製品の価値を高めることもできます。

金属の表面処理との違い

金属と樹脂への表面処理では、その難易度とプロセスが大きく異なります。一番の違いは「導電性」と「耐熱性」です。

金属は電気を流しやすく熱にも強いため、めっきや熱処理をスムーズに行えます。一方、樹脂は電気を通さないため、めっきの工程が複雑です。まずは前処理で表面をあらくし、触媒をつけて「無電解めっき」で電気を流しやすくした後に「電気めっき」を重ねる必要があります。また、樹脂は金属に比べて熱で変形しやすいため、処理するときの温度管理にも高い技術が求められます。

樹脂の表面処理を行う目的

樹脂の表面処理を行う目的は、大きく分けて2つあります。それは「製品の価値を高めること」と、「金型の生産性を上げること」です。

製品の美観と耐久性を高める

製品自体に表面処理を行う目的は、見た目を美しくすることと、長く使うための耐久性を高めることです。樹脂は素材のままだと、金属のような重厚感や深みのある光沢を出せません。この課題を解決するのが表面処理の技術です。塗装やめっきを施せば、樹脂の「軽さ」を活かしたまま高級感をプラスできます。

また、樹脂は「錆びない」という一方で、紫外線や摩擦、薬品などの刺激に弱く、劣化しやすい性質があります。しかし、表面処理で硬い被膜や耐候性の膜を作れば、劣化を防いで製品の寿命を延ばせます。

金型の摩耗や成形不良を防ぐ

樹脂の表面処理は、製造工程を支える金型を保護する役割も担っています。例えば、ガラス繊維などの充填剤が混ざった樹脂を高速・高圧で成形すると、金型の表面はすり減ってしまいます。そこで金型に表面処理を施せば、摩耗を抑えて金型を長持ちさせることが可能です。金型のメンテナンス回数を減らせるため、生産コストの削減にもつながります。 また、表面処理で離型性や耐食性を高めることも大切です。樹脂が金型に張り付く不良や、ガスによるサビを防げるため、製品の品質が安定します。

製品に施す表面処理の種類

樹脂製品(成形品)の表面に施される代表的な表面処理技術には、以下の4つがあります。

塗装

樹脂の表面に塗料を塗り、膜を作る最も一般的な方法です。色や光沢を変えるだけでなく、UVカットや耐薬品性の向上、手触りを良くする塗装など、多くの種類があります。塗料をはがれにくくするための前処理(プライマー処理など)が大切です。最近では、抗菌機能や傷に強いハードコートなども注目を集めています。

めっき

めっきは、電気を通さない樹脂の表面に薄い金属の膜をつける技術です。代表的なものとして、ABS樹脂などに行われる「クロムめっき」があります。めっきを施せば、樹脂の軽さを維持したまま、まるで金属のような重厚な光沢や高い硬度、導電性が手に入ります。自動車のエンブレムやフロントグリル、水回り部品などに広く使われている手法です。

蒸着処理

蒸着処理とは、真空の中でアルミニウムなどの金属を蒸発させ、樹脂の表面に薄い金属の膜をつける技術です。真空蒸着やスパッタリングといった手法がこれにあたります。めっきよりも膜が薄く、シャープな金属光沢が出るのが特徴です。そのため、自動車のヘッドランプの反射板や化粧品容器、スマートフォンの筐体など、精密で美しい見た目が求められる製品に使われています。

バフ仕上げ

バフ仕上げは、柔らかい布などで作られたホイールと研磨剤を使い、表面を物理的に磨き上げる工法です。ただ、量産品ではコストがかかるため、製品に直接バフがけをすることはあまりありません。通常は、あらかじめ金型側を磨いておきます。そのため、製品へのバフ仕上げは、試作品の仕上げやアクリル工芸品、傷の修正など、限られた用途で使われます。

金型に施す表面処理の種類

樹脂成形金型の耐久性を高めたり、型離れを良くしたりするために施される、代表的な技術を紹介します。

窒化処理

金型の表面に窒素を浸透させ、硬い層を作る処理です。熱による寸法の変化が少なく、精密な金型に適しています。ガラス繊維入りの樹脂による摩耗を防ぐのに効果的です。金型の寸法を変えずに硬度だけを上げられるため、精密な成形が必要な現場で活躍します。

めっき

金型の表面に「硬質クロムめっき」や「無電解ニッケルめっき」を施す手法です。硬質クロムめっきは硬度が高く、磨いた表面をきれいに維持するのに適しています。一方の無電解ニッケルめっきは、複雑な形状でも均一な厚みで処理できるのが強みです。そのため、ガスによるサビを防いだり、型離れを良くしたりするのに役立ちます。

溶射

金属などの粉末を熱で溶かし、金型表面に吹き付けて膜を作る技術です。全体に薄い膜を作る窒化やPVDコーティングとは違い、必要な部分だけに厚い膜を作れるのが特徴です。そのため、金型の特定箇所を長持ちさせたい場合などに用いられます。なお、大きな破損の修復には主に「肉盛り溶接」が使われます。しかし溶射は熱によるゆがみがほとんど出ないため、精密な寸法を元に戻す際にも有効です。

PVDコーティング

物理気相成長法(PVD)を使い、チタンやクロムなどの硬い薄膜を金型表面に作ります。硬度が高くて滑りやすいため、摩耗を防ぐだけでなく型離れも良くなるのが特徴です。成形時の樹脂の張り付きを防ぎ、メンテナンスの回数を減らせます。金型の寿命を延ばすだけでなく、成形サイクルの短縮による生産性向上も期待できる表面処理です。

まとめ

樹脂の表面処理は、製品の見た目や機能を高めるために重要です。さらに、金型のコストを削減する役割も持っています。

プロテックジャパンは、創業100年を超える金型設計・加工の技術力が強みです。小ロットの試作から量産まで、柔軟に対応できる体制を整えています。製品開発や生産性向上でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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